キリスト教が伝来する1566年以前の天草は、天慶四年(941年)に天草で最初の真言宗の寺院・染岳観音院ができて以来、領主は天台宗、領民は真言宗を信仰していた。
しかし、キリスト教が伝来して後、寺院はことごとく焼き払われ、現在天草には当時の真言宗の寺院は残っていない。
しかし、その痕跡を留めるように、天草各所に弘法大師のお堂と八十八ヶ所霊場を模擬した霊場があり、新旧の3月21日にはいまでも「お大師様」のお参りとご接待が行われている。
不思議なことに、天草島原の乱後建立された曹洞宗と浄土宗の寺院が宗派が異なる真言宗の開祖空海を祀り、地域の人々と共に自然な姿でお参りしているのだ。