なぜ、天草の潜伏キリシタン関連遺産が世界遺産に登録されたのか、理由をご存知ですか?
それは、﨑津にある教会の建物ではありません。
そして、﨑津集落の街並みでもありません。
では、何が世界遺産に登録される価値があったのでしょうか?
その答えは、キリシタン禁教令下の250年間、一人の密告者もなく五千人もの潜伏キリシタンが天草に存在していたことです。
当時、密告者には銀五百枚(現在の3千5百万円相当)の報奨金が与えられていたのでした。
天草の人々は、貧しい生活の中に、神道と仏教徒が潜伏キリシタンの存在を知っていたにも関わらず黙って命を守り続けたのでした。
これは、世界史上稀にみる歴史で、異国の宗教を信じる信徒たちを守る例はなく、まして密告者が250年もいなかったことは奇跡的なことです。
ユネスコは、天草と長崎の潜伏キリシタンの歴史と文化を満場一致で2018年6月30日に世界遺産に登録したのでした。
そして、翌月7月29日、世界遺産登録を記念して﨑津で神道と仏教とキリスト教の御朱印が発布されたのでした。